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『彼と一緒にお店がしたい!』のミュージカル的歌詞世界 #1

前にJuice=Juiceの『私が言う前に抱きしめなきゃね』の英訳文について書いた(http://michishigefan.blog130.fc2.com/blog-entry-437.html)のだが、普段はなるべく意識しないようにしているハロプロの歌詞をじっくり見ているといろいろと思うことがあった。

つんくは年頃の少女の気持ちを歌詞にするのが上手である、という評を耳にすることがある。私は年頃の少女だったことがないので、それがどれほど的を射たものなのかは判断できないのだが、たとえばスマイレージの『ぁまのじゃく』(http://www.uta-net.com/song/87905/)の「君のことなど興味ない」から始まって、「斎藤先輩とすごく仲がいいのも」とか「君の顔も覚えない」を経て、結末の「もうすぐ引っ越しするんでしょ」までの流れを見ていると、性別・年齢に関係なくぐっと来るのはたしかだ。

平均点とかプラス・マイナスの差し引きとかの世界ではない。こういうものが1つあったらそれは傑作であり、全体の5%にでもあったら素晴らしい芸術家である。問題なのは、「ピンチから~つかみとる~えいこ~」とか「記念のあれを 無くしても」とかが出てきたときにリジェクトするプロデューサーや進言するレコーディング・ディレクターがいないことなのだ。でもそんな仕組みがあったら「ララララ~のピピピピ~」も陽の目を見なかったかもしれないので、現状でいいのだろう。



というようなことを思うなか、私がとても気に入っている『彼と一緒にお店がしたい!』が、ミュージカルっぽさを感じさせてこれほどまでにいいのは、曲調やコレオグラフィーがそれっぽいということもあるが、歌詞世界のおかげでもあるなと思ったので、この項ではこれについて書いてみる。

まずは歌詞(http://www.uta-net.com/song/118958/)とミュージック・ビデオ。ビデオは、公式サイトにこの曲単独のクリップがないので、下の動画の5:17あたりから。




ライブ映像にはいくつかのバージョンがあるが、2012年秋ツアーのものが一番いい。




シングル・リリース時のPVにダンスがついていないのは重要である。PV用のコレオグラフィーがなかったおかげで、コンサート・ホールでのライブに向いたコレオグラフィーが付けられた。残念ながらライブ映像ではその良さの一部しか伝わらないけれども、ステージ上のあちこちでいろんなことが起こっているとても楽しいナンバーになっている。


歌詞の話だった。

この曲には、少女の恋心を歌った他の多くの曲と決定的に違う要素が1つある。パパとママという第三者の視点が導入されていて、本人もそれを強く意識していることだ。このおかげで、物語の主人公が置かれている環境、立っている舞台を俯瞰しやすくなっている。

ところでこの曲の歌詞を思うとき、なぜか私の頭の中では、家族から離れて自分の寝室でメールを打っていたり、「彼の悪口はぜったいに許さないんだからね」とふくれっ面で文句を垂れているのは生田衣梨奈なのだ。「パソコンのガッコ」のところまで来ると道重さゆみに切り替わるけれども、そこまでは、特にステージ上で目立っているわけでもないのに、生田衣梨奈が主人公をやっている。


そんな生田衣梨奈のボーイフレンドについて、パパは細かく嫌みを言う。髪型が変だ、と難癖をつける。この点については生田本人も「ちょっぴり」という留保は付けながらも同意せざるをえない。いまの世の中、「変な髪型」とはどんなものなのか私にはよくわからないが、生田本人と彼について「ハチャメチャ」とか「ムチャクチャ」と評していることから、何か無軌道な、不安を感じさせるそのあり方を象徴するような髪型をしているのだろう。うさちゃんヘアーとかではない。

そんな彼の髪型について、生田は「街で目立って 人気者だもんね」と弁護する。通りすがりの人が髪型を賛美するとは考えにくいので、彼を人気者とするグループ/サークルが存在していて、生田もその一員なのだろう。彼はそのグループのリーダー格の存在、あるいはそうでなくても人気者のポジションにいる。

つまり街でうろうろしているチンピラ・グループの話なのである。そりゃパパも心配していろいろと口を出してくる。それに反発して生田は「お店をする」という、彼女なりの「堅実さ」を必死にアピールする。もちろん「お店をする」というのは、その年齢に関係なく、女性の口から出る言葉としては危険信号以外のなにものでもないのだが、彼女はそのことがわかる歳でもない。

そしてクライマックスに来る道重さゆみパートの「パソコンの学校に行きたいな 将来に二人でお店出すため」で危なかっしさが頂点に達する。こういうことを言うということは、彼氏にはまだ「お店を出す」話は通していない。彼氏が堅実路線に共感しているのかどうかも定かでない。たぶん違う。そんな頼りない彼だからこそ、自分が頑張って支えようと思っている。そこで出てくるのが「パソコンの学校」という無邪気さ。道重さゆみの表現の力もあって、ここの部分はひたすら切ない。

この二人はたぶんうまく行かない。

長くなるのでテキストを分ける。
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