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モーニング娘。誕生15周年記念コンサートツアー2012秋 ~ カラフルキャラクター ~ #5-#6 - #2


● いまさらではあるけれども、日本のアイドル・ジャンル特有の若さと幼さは強烈で、久しぶりに接するとちょっとびっくりする。

思い返すと2009~2010年頃に初めてアイドルに触れたとき、私にとってハロプロ内ではBerryz工房や℃-uteはメンバーが若すぎて最初から興味の対象外だった。平均年齢が20歳前後だったモーニング娘。がかろうじてフィルターを通り抜け、年長組が大人びてきていたアイドリングとともに、しばらく追いかける対象として選んだという事情があった。そんな私もずいぶん馴致されたわけだが、久しぶりに見ると当初の違和感が蘇る。この話は別稿でもうちょっと書きたい。


● 大阪・神戸の4公演すべてで、ステージ・パフォーマンス以外のトークのセクションが非常に楽しかった。このことについては山口公演の感想でも触れている。年長者ゆえに場を仕切ることの多い6期2人がこの点で優れていることと、この2人と若いメンバーたちの関係が良好であることが大きく効いているのだと思う。

若手のなかでは飯窪春菜の勘の良さが素晴らしい。以前から「人をほめるのが得意だ」という言い方をしていたけれども、コンテクストを読む能力と、咄嗟の判断力とボキャブラリーが優れているということなのだろう。今回は田中れいなとのペアで、暴走する田中れいなの手綱をとっている感じが素晴らしかった。これが成長して藤本美貴みたいになるのだったらつらいのだがどうなのだろうか。

同じく面白い佐藤優樹だが、これが成長して辻希美みたいになったらつらい。

上に書いたことと関連するけれども、若さゆえの不安定さとポテンシャルということ。昔からのモーニング娘。のファン、あるいはアイドル全般のファンは、こういうのをいくどとなく経験してきて耐性ができているのだろうけれども、まだ新参の、脆いハートを持ったファンとしては、いまの9・10期メンバーの中から将来の加護亜依とか辻希美とか藤本美貴とか矢口真里とか後藤真希とか久住小春が出るのかもと想像すると胸が痛くなるわけである。これに慣れて「これこそが醍醐味だ」と言えるようになるまでは、まだ何サイクルもの経験が必要な気がする。

こんなことを思うのはやはり「いまがいい状態にある」という感覚が強いからだ、というのはある。で、書いていて改めて気づいたけれども、これってきわめて俗っぽい意味での「少女」の良さに惹かれている、ということなのだろうし、こういうことは平均年齢20歳の2009~2010年のモーニング娘。には感じようがなかった。逆にそういうことを感じずに済むから、精神的負担が少ない、ということもあるのだろう。

そんな中で飯窪春菜は最も完成品に近いわけだが、ステージ・パフォーマンスのぎごちなさのおかげで仕掛品に見えるという得(!?)をしているのかもしれない。『リゾナントブルー』での飯窪春菜には目が釘付けだ。なんか一人だけアバンギャルドなダンスをしているみたい。


● そんな飯窪春菜と正反対の極にいるのが佐藤優樹。24日の大阪公演で、『私の魅力に気付かない鈍感な人』のソロを初めて見て驚いた。このセグメントでソロでやっているのは田中れいなと佐藤優樹だけなようで、大抜擢ということなのだろうけれども、パフォーマンスの質だけでなく客の乗せ方も含めてとても良くできている。いまのところ、このセグメントで私が見たなかで良かったのはこの『私の魅力に気付かない鈍感な人』と、 譜久村・生田・鈴木・工藤による『一切合切あなたにあげる』。モーニング娘。に限らずハロプロでは、このようなサブ・グループやソロでのパフォーマンスがうまく行くことの方が珍しいので、この2作品があること自体、大成功だと思う。

佐藤優樹はほかに『ゼロから始まる青春』での歌い出しが安定している。


● モーニング娘。の昔のライブ映像を見て、感想を言いながらクイズに答えるセグメント。今回は2001年と2006年のライブ映像が使われ、特に前者の方で、ステージ上にいた田中れいなと道重さゆみが、これこそが私がファンになったモーニング娘。だと感激していたわけだけれども…

遅れてきたファンにしてみると、やっぱりしょぼく見えるのである。特にその前後にいまのモーニング娘。のパフォーマンスを観客席から見ているというシチュエーションでは、家でライブDVDを見ているときよりもさらにしょぼく見える。映像がライブ・パフォーマンスの良さを伝えないということは重々承知していても、大きなギャップがあることはどうしても否定できない。

6期メンバーは2001年前後のモーニング娘。を見てオーディションを受けて入ってきたわけだから、憧れの感情が刷り込まれているのは理解できる。そこには当時のモーニング娘。が置かれていた社会的な文脈が入っていて、それを共有していない私には実感しようがないことなのだろう。

そのことを考えれば考えるほど、モーニング娘。の一般人気が下がったことのキツさを思う。ここ1~2年ほどのことだが、田中れいながこの手のことを口にすることが多くなってきた。このブログでも以前から書いてきたが、2010年の時点で、社会の中での、あるいはアイドル・ジャンルの中でのモーニング娘。のポジションに言及するメンバーは道重さゆみだけだったのだけれども、強く突っ張っているパーソナリティだった田中れいながその手の発言をするとなんかズシンと来る。道重さゆみはアイドル評論家の立場からそういうことを言うのに対し、田中れいなは自分が直面している(そして自分では如何ともしがたい)状況の描写としてそういうことを言うので。


● 今ツアーのメドレーはいいのだけれども、あそこで使われる衣装はよくない。最後の『OK YEAH!』で上に着ているものを脱ぎ捨てる演出があるため、それまでの長い時間をダボダボの服で過ごすことになる。鞘師里保と石田亜佑美による『CRAZY ABOUT YOU』はこれによって大きなダメージを受けていたと思う。体の動きがよく見えないだけでなく、2人とも身体のプロポーションが横に広がって見えて違和感があった。

一方、オープニング・ビデオ後の『笑って!YOU』以降で使われる9・10期の衣装は、ハロプロには珍しいラフでカジュアルな方向での、センスのよいものだった。


● いまのところ今ツアーの見所は、オープニング・ビデオ前の『What's Up? 愛はどうなのよ』、10期による『青春ど真ん中』、道重さゆみの『ラララのピピピ』、そして『彼と一緒にお店がしたい!』からメドレーへの流れということになるだろうか。新シングル曲の『ワクテカ Take a chance』はきわめて興味深いのだが、問題含みでもある。そういえばこれについてはまだ何も書いていなかった。
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No title

はじめまして。
いつも興味深く読ませて頂いています。
平温で語られる客観的な批評が読みやすく、毎度楽しみにしています。
今回、結構別稿に譲る部分が多くて気になりますー。
今後とも更新楽しみにしております。

No title

コメントありがとうございます。

「平温」ですか。コンサート会場でもこんな感じで見ています。
ファンの「格」としては、会場で踊り狂い、ブログで「さゆが可愛くてテンションあがったー」とか書いている人たちの方が上であるし、メンバーたちにとっても、より大切なファン層であるとは思いますが、そういう人たちばかりではないということを世に知らしめることができれば、と思ったりもしています。
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