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American Idolを久しぶりに見て

今年は"American Idol"を久しぶりに見て感想を書いたし、これ以外にもタレント・ショウをいくつか追いかけた。2009年に日本のアイドルにハマる前は「アイドル」といえばこちらの方だったのに、我ながら驚くような感性の変化や新たな発見があった。そこでいまのうちに全体的な感想を書き留めておこうと思う。


● このブログで欧米のリアリティ・ショウを扱い、「リアリティ・ショウについて」というカテゴリを作ったそもそもの理由は、日本のアイドルがリアリティ・ショウの出演者に似ていると思ったからだった。で、いま改めて"American Idol"などのコンペティション番組を見ると、「成長(growth)」という言葉が頻繁に出てくるのが印象に残る。日本のアイドルと同じように、タレントが成長する過程を見て楽しむという側面はやっぱり大きい。

"American Idol"のようなタレント発掘番組では成長のゴールがはっきりと見えているのに対し、日本のアイドルのゴールは不明瞭である。これはアイドルの側の問題というよりも、日本のエンタテインメント業界の弱さを反映しているのだろう。メインストリームのエンタテインメントが貧弱すぎるから、そこに行くことが大きな目標にならない。だからこそ、ゴールが不明瞭なまま続くアイドルというジャンルが商業的に成立している。


● そもそも私が"American Idol"みたいな番組にハマったのは、未完成のものを見たいという欲求があるからだ。

この立場から、日本のアイドルを経由して欧米のタレント・ショウを改めて見ると、「中途半端に技術レベルが高い」と感じることがある。「American Idol Season 11 #1」でコンテスタントの動画を紹介しているのだが、1位のPhillip Phillipsは最初からできあがっていたので例外として、2位のJessica Sanchezと3位のJoshua Ledetはたしかに回を重ねるにつれて良くなっていった。しかしそれがそれほど面白くなかったのだ。

この2人はシーズンの中でいろいろと新しいことを学んでいったのだろうが、極論すると、新たな要素は、アーティストをサポートするスタッフと、大きな舞台での場慣れだけのような感じがする。それぐらいに、技術面では最初から優れていた。そして、アーティストに必要な「it」というか「ソウル」というか、それは最後までなかった。と言ったら言い過ぎではあるけれども、2人ともソウルフルな歌を歌うにはまだ若すぎた。

「it」がない人が、スタッフによる飾り付けと場慣れによって、見栄えのよいパフォーマンスをするようになるまでの過程を楽しんで見られるか、ということ。これとは対照的に、日本のアイドルはほぼその「it」だけで出発するわけで潔い。道重さゆみはそれを突き詰めた形である。


● 視聴者による投票だとどうしても人気投票になって実力を反映した結果にならない、という印象があるけれども、今年の"American Idol"も、他のタレント・ショウも、基本的には歌が上手い人が生き残るという順当な結果になっているように思った。

ここ数年、下手な歌を大量に聴いたせいかもしれないが、コンテスタントの歌唱力が全体的に底上げされているように感じる。それだけに、こちらが求める水準も高くなってしまい、プロとアマはやっぱり違うな、という感想を持ってしまうことが多くなった。本来、そんな趣旨の番組ではないはずなのに。


● 上で書いたことと反対のことを言うようだが、この手の番組にプロの歌手がゲスト出演してパフォーマンスを行うとしょぼく見えることが少なくない。前に紹介したJennifer Holidayは例外中の例外である。

ただ、いまABCでやっている"Duets"は、プロの歌手4人が、自分が選んだアマチュアとデュエットを歌って勝負をするという番組なので、プロの側も実力派が揃っている。また、昨年紹介した"The Voice"の英国版"The Voice UK"はアメリカ版よりもコーチのリキが入っている。この2つについては別の機会に書くつもり。


● そういえば"American Idol"のジャッジが、Randy Jacksonはそのままで、新たにSteven TylerとJennifer Lopezが加わっていた。この3人構成は良い。2人が現役の歌手だということは大きくて発言に説得力がある。それだけでなく、2人とも非常にチャーミングな人柄であることがよくわかった。

ただ、この2人もゲスト出演者として行ったパフォーマンスは非常にしょぼかった。世間の見方はどうか知らないが、私個人はこの2人はもともと凡庸なポップ・スターだと思っているから、その先入観もあるのかもしれない。もちろんこの番組で凡庸なポップ・スターにジャッジをやらせるのは正しい判断なのである。
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